伝統技術を守りつつ、新たな価値を想像する挑戦:今治タオルから生まれた「Over the Moon」
2025/10/07
今治タオルと伝統の重み
愛媛県今治市は、豊かな水資源と職人の伝統技術によって「タオルの聖地」と呼ばれてきました。 今治タオルは、その高い品質で国内外から評価され、長年にわたり日本を代表する工芸品のひとつとされています。

しかし、近年、その産業は大きな転換点を迎えています。中国やベトナムからの安価な製品が市場に流入したことで今治タオル産業は衰退し始めています。ブランドとしての価値も下がりつつあり、いまや「斜陽産業」とさえ呼ばれるほどの厳しい状況です。
家業を継ぐ決意
こうした状況を知れば、「家業を継ぐのは避けたほうが良い」という言葉にも説得力があります。実際に先代からも「継がない方がいい」と告げられました。
しかし、創業92年を迎えるタオル会社「株式会社白和」の五代目として生まれた白石にとって、「継がない」という選択肢はありませんでした。今の自分自身あるのは、先祖代々タオルづくりに人生をかけ、地域や社員、取引先と築き上げた共同体があったからこそ。その責任感と使命感が、白石を後継者の道へと導いたのです。

今治タオルという伝統を守るだけでなく、発展させていく。
人々の生活を豊かにする新しい価値を築いていく。
そしてその意志を体現するために株式会社WINBEを立ち上げました。
新たな価値を生み出す挑戦
しかし、ただ伝統を守るだけではありません。
白石は大学生活と並行して、様々な人の力を借りながら商品開発に挑戦しました。
原点にあったのは先代の「人の幸せが、開発の原点である。」という言葉でした。その言葉を胸に素材の選定から製造方法まで試行錯誤を繰り返し、何度もやり直しを重ねました。
メーカーの思いつく限りの加工を施し、誕生したのが「Over the Moon」です。

見た瞬間に「美しい」と感じ、触れたときに「ふわっと包まれる」ような感動があり、使うたびに「やっぱりこれがいい」と思える、そんなタオル。
美しいデザインと心地よい触り心地、そして実用性を兼ね備える一枚です。
このタオルには、今治の伝統技術と新しい発想の両方が込められています。
またいわゆる高級タオルという今までの概念も覆す。
そんなタオルであると私たちは考えています。