タオルの使い方、”おしふき”とは?——擦らないケアが肌を守る理由
2025/10/23
タオルで体を拭くとき、無意識のうちに「擦る」動作をしていませんか?
実はその動作こそが、肌にとって大きな負担になることがあります。
私たちは正しい使い方として「おしふき」を推奨しています。「おしふき」はタオルを肌に押し当てて水分を吸い取るという方法で、肌へのダメージを最小限に抑えるケアとして注目されています。
清拭(せいしき)と共通する“やさしさ”の動作
おしふきは、医療・介護分野で行われる「清拭(せいしき)」と同じ発想から生まれました。清拭とは入浴が難しい方の体を温かいタオルで拭き、清潔に保つ行為のことです。擦るのではなく、肌にタオルを押し当てるようにして水分や汚れを除去するのが特徴です。
この方法は、赤ちゃんや高齢者など、皮膚が薄く乾燥しやすい人のスキンケアとしても効果的です。
摩擦が与えるダメージ
皮膚の表面は「角質層」という薄い膜で守られていますが、ここに摩擦が加わると、バリア機能が壊れ、炎症・かゆみ・黒ずみなどの原因になります。
また、摩擦による微小な刺激が長時間続くと、肌の弾力を保つ真皮層にも影響し、たるみや小じわを引き起こすこともあるのです。特に敏感肌や乾燥肌の方、そして加齢によって皮膚が薄くなった方は、日常の「拭く動作」が肌トラブルの一因になっていることも少なくありません。
おしふきがもたらす3つの利点
1.肌への優しさ
擦らないための、角質層を傷つけず、敏感肌にも安心。赤ちゃんや高齢者にも適した方法です。
2.吸水性の最大化
押し当てることで、タオルの繊維と肌の接触面積が広がり、毛細管現象により水分をすばやく吸い上げます。タオル本来の吸水力を最大限に発揮できるのです。
3.体温低下の防止
入浴後に肌に残った水分が蒸発すると気化熱によって体の熱が奪われます。おしふきは素早く水分を除去し、体温低下を防ぐという健康面での利点もあります。
毎日のケア“おしふき”を取り入れる
おしふきは、特別な技術や道具を必要としません。
今すでにお使いのタオルを使うときに、ただ「擦らない」という意識を持ち、タオルをそっと押し当てるだけで、肌への負担を大きく減らすことができます。
スキンケアや入浴後のボディケアにおいても、肌トラブルを防ぐ新しい習慣としておすすめです。

まとめ
“拭く”という何気にない行為の中にも、肌を守るためにできることがあります。
おしふきは、医療や介護の現場で培われた知恵でありながら、現代のスキンケアにも通じる科学的でやさしい方法です。
タオルの使い方を少し変えるだけで、肌も心も、より健やかに保つことができます。
また別の記事でおしふきに適しているタオルの特徴なども紹介してまいります。